先日、父の3回忌の法事がありました。
突然の訃報からあっという間に、まる2年が経ちました。
母は、レンタルベッドの返却もあって、その周辺だけはかたづけをしていたけれど、
あとは手つかずのまま・・・
●心が落ち着くまでの時間が必要
父が突然亡くなったことで、葬儀のバタバタに追われ、
間をおかずレンタル品の返却の手続き、病院や施設の事務手続き、
落ち着く間もなく、相続の手続きへとつづき、
あっという間に、49日の法事や1周忌の法事の時期に。
葬儀、死後事務処理、供養・・・はじめてづくしの出来事に、心身はクタクタ・・・母自身、「夫のものを整理しなくては」と思っていても、気持ちも体もついていかない状態だったと思います。
手伝うにしても、私のスピード感で進めると、きっとズレが生じ、かたづけが中断しそうでした。
特に遺品の整理は、残された家族の気持ちが落ち着かないと進まないですね。
「時間」がかかります。
●いっしょに進める
2年が経つのは早いもので、3回忌の法事の時期がやってきました。
この1年の母の様子を見ていると、父が亡くなるまでの介護期間(10年)の疲れも薄れ、ようやく野菜作りなどをして、自分の時間を楽しむようになってきました。
気持ちの落ち着きが見られ、「遺品整理」に向き合えそうだと判断。
今ならできるかもと思って、今回の法事を父の遺品整理の日に当てることにしました。
母任せにせず、子である私もいっしょに手伝うつもりで、法事・会食の後「整理時間」を取ることにしました。
●無理はしない
私はこの日を「遺品整理の日」にしたけれど、
当日になってみないと、当事者の母の気持ちや体調はわかりません。
当人も高齢者なので(^^;)
だから、「できてよし!できなくてよし!」の心づもりでいるほうが、
こちらも「せっかく手伝ってあげようと思ったのに😖」と思わなくてすみます。
当事者も手伝う側も、気持ちよく作業ができることをめざしたほうがよいですね。
●全部しなくていい
父が使っていた部屋の見えるところは、概ねかたづいていたけれど、押し入れや引き出しの中は手つかずだったので、今回は、そこに着手。主には衣類でした。
父のものは、他の場所にもあるけれど、まずは、現在、母が生活をしているエリアに関わるところだけしました。
一度に全部しようとすると、疲れるし、整理することが嫌になるかもしれません。
「整理」することは、「情」とも戦いながら、分析や判断して決断していくという頭を使うことなので、実はけっこう疲れます。
きりがよいところで終わらせて、「後はまた今度」にしたほうが、「またやろう!」「やってスッキリしたい!」につながります。
●思い出を語りながら
たくさんあった父のスウェットや防寒用のズボン、肌着の数々は、介護をしていたときの母の思いの表れ。
よかれと思って買っても、しっくりこず、「これはどう?あれは?」と買い直しながら、着心地や着やすさを求めていくうちに、増えていったようです。
また、それらを見ながら、こんなことがあったとか、これを着て○○○へ行ったとか、自然と父の思い出話になりました。少々、手が止まる時間もありながら、相手の気持ちを察しつつ、気持ちはゆったりと作業を進めるといいですね。
いいことも、そうでないことも色々思い出されましたが、ものを通して、故人との思い出に触れることができました。
●さくさくと進めよう
今回の衣類の整理は、普段着だったので、ほとんが処分するものでした。
もし躊躇していたら、なぜ迷っているのかを聞いて、
思い出として残したいなら、厳選して、数点にしぼったり、
親しい人へもらってもらうとか。
具体的に使う状況が想像できないなら、「もう捨ててもいいんじゃない⁈」と背中を押してあげるとよいと思います。決断することに慣れていないとモヤモヤの時間が長くなり、よくないですね。
今回残したものは、母が着られそうな中綿入りのベストと、バスタオル、ベッドの敷きパット。これも絶対残しておきたいというよりは、仮に残すけど、出番がなければ処分するということで残しました。
もったいない世代は「捨てる」習慣があまりない人が多いので、手伝う側の人が、優しく、でもテンポよくリードし、声をかけて、さくさく進むようサポートしていくことが大切です。
写真などの整理は、生活スペースの邪魔にならなければ、そんなに急がなくてもよいかと思います。余裕があるときに、アルバムをながめながら、出来事を思い起こし、「お気に入りを選び取る」という作業をするのがいいと思います。
●やりすぎない
母の気分も体調もよかったので、あっという間に2時間が経ち、たくさんの処分品が出ました。そして、押入れの引き出し収納が空っぽに!
まだできそうだったけれど、きりがよかったし、まだやれる余力があるところでストップ。
そのほうが、今度につながります。
●ふだんのかたづけと違うところ
かたづけすること自体は、通常のかたづけのポイントと変わらないですが、
違うところは、残ったすべてのものに思い入れや思い出がある可能性があること。
なので、かたづけをする人の気持ちの状態をよく観察して、気持ちに無理をさせないよう心配りをすることが大切だと思います。
●家族も余裕をもって
高齢の母は、かたづけをしなくちゃと、どこかでは思っていたけど、なかなか踏み出せないままでいたと思います。
シニアさんの話を聞くと、ほとんどの人が「子供に迷惑をかけたくない」「かたづけをしなくちゃ」と思っています。
だから、家族は次のことに気をつけるとよいと思います。
・ちょっときっかけを作って(法事、お盆お正月の帰省など)
・ちょっと嬉しくなるような声をかけて(「だいぶんかたづいたよ」「空間ができてきたよ」)
・ちょっと歩調をあわせて(疲れが見えたら休む)
それには、まず時間に余裕を持つこと。
自分の時間を優先しがちですが、「今日は(できても、できなくても)かたづけを手伝う日」として、時間の枠を作ること。
故人を偲びながら、かたづけが進み、残された家族にとって、穏やかな1日となりました。
また、「自分の服もかたづけしなくちゃ!」と言っていたので、それも大きな収穫でした!
2月は、無料相談会と、かたづけセミナーがあります。
かたづけだけでなく、インテリアやリフォームなど空間に関する相談や、
今回は「冷蔵庫」に特化したかたづけセミナーになっています。
かたづけや空間づくりのきっかけになればいいなぁと思います(*^^*)
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